自分に合った枕
やわらかすぎる枕、硬すぎる枕
枕がやわらかすぎると、頭は枕にスッポリ包みこまれるように沈み込んでしまいます。この状態では、頭と枕の接触面積が大きくなり、通気性も悪く、枕と頭の間にこもった熱によるムレが原因になり、かえって寝苦しくなるだけで、好ましくありません。また、弾力性がありすぎるのも、安定感がなく、ある筋肉はひきずられ、ある部位の筋肉は圧迫されるという状態になります。この状態で寝返りをうつと無理な力が加わり、寝ちがいを起こす原因となります。また、かたすぎる枕も、頭部への刺激が強く、安眠できず、眠りも浅くなってしまいます。快眠のための枕は、適度にかたく、しかもある程度の弾力性のある構造がよいといわれています。最近では、異なった素材を使った二重構造の枕や、体温や体圧の変化に反応し、理想的な寝姿勢を保つ新素材を使った枕も登場しています。
■高すぎる枕、低すぎる枕
高すぎる枕は、首が不自然に曲がり、後頭部が押しあげられ、あごを引いたままの状態で眠ることになります。この状態では気道が圧迫され、いびきを引き起こす原因になるだけではなく、呼吸も妨げられ、睡眠中の体を酸素不足にしてしまいます。また、後頭部から首筋・肩にかけての血行も悪くなり、肩こりの原因ともなります。
低すぎる枕は、血液が頭部に下がり、一種ののぼせ状態になり、寝つきを悪くしてしまいます。
最も理想的な枕の高さは、頭に枕をのせて沈んだときの頚椎のカーブ(くぼみ)の深さ(高さ)[通常4〜6cmくらい]を自然に保つことができるものが理想的だとされています。この頚椎のカーブの深さ(高さ)は、体型によって異なります。肩下の隙間や、首筋の伸び具合、横向き寝のときの背骨から頭にかけてのラインや寝心地をチェックし、頭部から首筋にかけてのカーブを無理なく、バランスよく支える高さのものを選ぶことが大切です。
また、枕の高さは、敷きふとんの質によっても若干異なってきます。敷ふとんがやわらかく、身体が沈むような場合は、枕もやや低めのものにするなどの工夫が必要です。
幅があり、肩先までの保温を考えた奥行きも必要になります。具体的には奥行きが40〜50cm前後、横幅が60cm前後のものが適当だとされていますが、枕の形状や、枕を使う人の体型によっても多少 変わってきます。
また、枕の高さも、枕を頭にのせたときの頚椎のカーブ(くぼみ)を自然に支えられる高さが一応の目安になります。
しかし、枕を頭にのせた高さは、枕を使う人の体型や寝姿勢、性別によっても当然違ってきます。これが枕選びを難しくする最大の要因といってもいいかもしれません。仰向け寝のときには、頚椎のカーブ(くぼみ)の高さと、後頭部と背中の高さの差が重要になり、横向き寝のときには肩幅分の高さの確保が必要です。特に男性の場合は、この二つの条件の間に大きな差があり、枕の高さ選びを難しくしているのです。こうしたことを考慮して、理想的な枕の形状を考えていくと、後頭部は低めに、首筋は少し高めに、左右は肩幅 の高さ。つまり、中央がややくぼんだ立体的なものが理想的な形状の枕だといえます。また、子供には、成長段階に合わせた大きさや形状の枕をこまめに選ぶことが大切なのはいうまでもありません。
■「頭寒足熱」枕の通気性
まず、人はなぜ頭をふとんから出して枕を使い眠るのかを考えてみましょう。
活動時、つまり起きている状態のときの脳の温度は、安静時よりも上がっています。
温度が高いままだと、脳の活動が続いてしまい眠れません。イライラや考え事が続くと、なかなか眠れないもそれが理由です。心地よく眠るには、頭の温度を下げてやることが必要です。
昔からいわれる「頭寒足熱」は快眠のための重要なキーポイントだったのです。足が冷えれば寝つけないし、頭部が暖かすぎると目がさえて眠れなくなってしまうのです。かといって、病気でもないのに枕の上に氷枕や保冷材を使って、頭を冷やし過ぎてしまうとかえって脳を刺激したり、脳が体温の回復活動を指示してしまうので睡眠は浅くなってしまいます。頭部は、体温よりも5℃くらい低めがよいといわれています。つまり枕には保温性の低い素材(通気性がよく、体温を吸収し、熱をこもらせないよう、発散させる素材)が適しているのです。
また、枕は通気性のいい素材は、一番にお勧めします。
枕の性能の多くの部分は、素材によって決定されます。素材として一般的に枕に使用するものは、そばがら、合繊綿、ポリウレタンフォームなどが一般的であり、特殊なものとして、ポリエステル樹脂のチップ、石材、ヒノキ、竹、桐などのチップがあります。素材の特徴を参考にしながら、固さ、臭い、音などが自分の好みであるかどうか検討して選ぶことが大切です。また、使い慣れた感触の素材やそれに近い感触の素材の枕が、違和感も少なく、すぐに使い慣れることができます。
■枕の素材とその特徴
<自然素材>
| 枕の素材 |
特 徴 |
| そば枕 |
昔から愛用されてきた代表的な枕の素材がそば殻です。通気性はよく、熱がこもりにくく、適度な硬さもあり、風あいも爽やかです。また、吸湿性と放湿性に優れており、蒸し暑い日本の夏にも快適な枕の素材です |
| 備長炭枕 |
備長炭がもつ無数の細かい気孔が、すぐれた消臭効果と吸湿・放湿性を発揮し、湿気を調整するので爽やかに眠れる枕の素材です。また最近では、備長炭がマイナスイオンを発生させることが分かり、その鎮静効果も注目されるようになってきました枕の素材です。 |
| ヒノキ枕 |
ヒノキの香り成分が神経を和らげ心地よい眠りを誘います。また、ヒノキには優れた抗菌効果と抗ダニ効果があり、枕を常に清潔に保ちます。吸湿・放湿性にも優れ、湿気を調節をする枕の素材です。 |
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<化学素材>
| 枕の素材 |
特 徴 |
ポリウレタン
フォーム枕 |
弾力に富み、クッション性に優れているため、感触もやわらかです。従来の枕は、通気性が欠けるところもありましたが、最近は改良されてきました。 |
センシティブ・
フォーム枕 |
NASA(アメリカ航空宇宙局)の技術をもとに開発されたウレタン系の新素材です。体温と体圧に反応し、優れた体圧分散性を発揮し、圧迫感のない眠りを生み出してくれる枕です。独自の均一フォーム加工により優れた通気性が確保されているため、空気の通りもよく、熱や臭いを閉じ込め、21世紀の枕素材です。 |
ポリエチレン枕
(パイプ) |
筒状で通気性にすぐれ、熱がこもりません。また、虫もつかないので清潔枕です。硬めの枕を好む人向けです。 |
ポリエチレン枕
(シンセテンホール) |
筒状で通気性がよく、熱がこもりません。虫もつかないので清潔枕です。復元性と弾力性に優れています。普通の硬さを好む人向けです。丸洗いしても、すっきり水きりできます。 |
ポリエチレン枕
(ソフトパイプ) |
デリケートな女性やお子様向けのソフトパイプ。サイズも小さめです。通気性がよく、熱がこもりません。虫もつかないので清潔枕です。丸洗いしても、すっきり水きりできます。 |
ポリエステル枕
(プランクスピー) |
羽毛のように柔らかな感触を持った粒状のポリエステル繊維の中綿素材です。弾力性があり、やわらかな枕を好む人向けです。丸洗いできます。 |
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